LSI Storage Authority Software(LSA)のご利用方法

本記事では、LSI Storage Authority Software(LSA)を用いてLSI社製MegaRAID SAS 12Gシリーズ RAIDカードの情報確認や設定を行う方法をご案内いたします。

LSI Storage Authority Softwareのインストール方法

(1)下記メーカーサイトよりご利用のRAIDカードの型番を選択し、
Downloads > Management Software and Toolsの項目を選択し、お使いのOSに対応したLatest LSAをダウンロードします。
https://www.broadcom.com/products/storage/raid-controllers

※お使いのRAIDカードが上記メーカーサイトに記載されていない場合は、下記URLからの検索をお試しください。
https://www.broadcom.com/support/download-search

(2)ダウンロードしたzipファイルを解凍し、展開されたsetup.exeを実行します。

(3)LSAの動作に必要なプロセスであるOpenSLPのインストーラーが起動しますので、EULAに同意したのちChoose Setup Typeの項目でTypicalを選び、インストールを行います。

(4)OpenSLPのインストールが完了した後、LSAのインストーラーが起動します。EULAに同意すると、ユーザー名・組織名の入力画面が表示されますので任意でご入力ください。

(5)インストール先ディレクトリに任意のパスを指定し、Setup Typeの項目でStandAloneを選択します。

(6)各サーバーが使用するポート番号の入力画面が表示されます。
デフォルトのポート番号は下記のとおりですが、他のサービスがこれらのポートを使用する場合は適宜ご変更ください。
Web Server Port: 2463
LSA Server Port: 9000

(7)どの時点のイベントからアラート通知を適用するかの設定画面が表示されますので、お好みのオプションを選択し、インストールを開始します。

(8)インストール完了後、コントロール パネルより「システムとセキュリティ > Windows Defender ファイアウォール > 詳細設定」の項目を選択します。

(9)Windows ファイアウォールの設定画面が表示されますので、「受信の規則」タブを表示した状態で画面右側の「新しい規則…」を選択します。

(10)表示された設定画面で「ポート」を選択し、「次へ」をクリックします。

(11)表示された2つの設定項目をそれぞれ「TCP」、「特定のローカルポート」に設定し、入力ボックスには(6)で設定したWeb serverのポート番号を入力します。

(12)「接続を許可する」を選択したのち、表示される規則の適応先の設定画面で「ドメイン」「プライベート」「パブリック」のすべてにチェックを入れます。

(13)規則に任意の名前をつけ、「完了」をクリックします。

LSI Storage Authority Softwareの起動方法

(1)ブラウザを起動し、アドレスバーに
http://”IPアドレス”:”Web Serverのポート番号”
と入力します。

(2)ログイン画面が表示されますので、OSの管理者アカウントのユーザー名とパスワードを入力します。

RAIDレベルについて

LSI社製MegaRAID SAS 12Gシリーズ RAIDカードはRAIDレベル0/1/5/6/10/50/60に対応しております。

RAIDレベル0(ストライピング)

複数台の物理ドライブに分散してデータを保存します。
高速ですが、いずれかの物理ドライブが故障した場合は全てのデータが復旧不可能になります。
RAIDの構成には1台以上の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル1(ミラーリング)

2台の物理ドライブに同じデータを保存します。
いずれか片方の物理ドライブが故障しても、データは一切失われません。
RAIDの構成には2台の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル5(分散パリティ)

複数台の物理ドライブに分散してデータを保存し、生成したパリティデータも併せて保存します。
いずれかの物理ドライブが故障しても、パリティデータからデータを復元することができます。
RAIDの構成には3台以上の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル6(複数分散パリティ)

複数台の物理ドライブに分散してデータを保存し、生成したパリティデータも併せて2重に保存します。
いずれか2台の物理ドライブが故障しても、パリティデータからデータを復元することができます。
RAIDの構成には3台以上の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル10(ミラーリング+ストライピング)

RAID1とRAID0を組み合わせたものです。
同じデータを保存する2台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり2台、合計で「2×Span数」台の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル50(分散パリティ+ストライピング)

RAID5とRAID0を組み合わせたものです。
データを分散して保存し、生成したパリティデータも併せて保存する複数台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり3台以上、合計で「3台以上×Span数」台の物理ドライブが必要です。

RAIDレベル60(複数分散パリティ+ストライピング)

RAID6とRAID0を組み合わせたものです。
データを分散して保存し、生成したパリティデータも2重に保存する複数台の物理ドライブを1 Spanとし、複数のSpanに分散してデータを保存します。
RAIDの構成には1 Spanあたり3台以上、合計で「3台以上×Span数」台の物理ドライブが必要です。

RAIDの構成方法

(1)LSAホーム画面右側より、Configure > Advanced Configurationの項目を選択します。

(2)表示されたウィンドウより、ご希望のRAIDの種類と論理ドライブ名を入力し、「Next」をクリックします。

(3)「Add Pysical Drives」のボタンをクリックし、RAIDを構成する物理ドライブを選択します。

(4)「Add Virtual Drives」のボタンをクリックすると作成する論理ドライブの設定画面が表示されますので、お好みのパラメータに設定します。

(5)「Finish」のボタンをクリックすることでRAIDが構成されます。

コントローラステータスの確認方法

LSAホーム画面左上の赤・黄・緑のマークよりコントローラステータスの確認、ホーム画面右側メニューのView Event Logよりイベントログの確認ができます。

LSAホーム画面左上およびコントローラ名の横に赤い×マークが表示されている場合、該当のコントローラは何らかの対応が必要な状況であることを示します。
該当のコントローラ名をクリックしたのち、表示された「Need Attention」の赤いバー左側の+マークをクリックすることで、問題の概要を確認することができます。

ドライブステータスの確認方法

LSAホーム画面よりステータスを確認したいドライブが接続されているコントローラ名をクリックし、「Drives」タブを選択します。
表示された情報の「Status」の項目を確認することでドライブの状態を確認することができます。

ドライブステータスの一覧

Unconfigured Good

RAID 構成情報を持たない白紙の状態です。
ドライブの健康状態は問題ありません。

Hot Spare

RAID 構成情報を持つスペアディスクです。
ドライブの健康状態は問題ありません。

Online

稼働中のRAID 構成ディスクです。
ドライブの健康状態は問題ありません。

Rebuild

リビルド中のディスクです。
ドライブの健康状態は問題ありません。

Failed

OnlineかHot SpareだったRAID構成ディスクが再起不能のエラーを返した状態です。
ドライブの健康状態に問題が発生している可能性があります。

Unconfigured Bad

Unconfigured Goodだったディスクが再起不能のエラーを返した状態です。
ドライブの健康状態に問題が発生している可能性があります。

Missing

Online だったディスクがスロットから外れた状態です。
ドライブの健康状態に問題が発生している可能性があります。

Offline

Online だったディスクの構成情報が無効になった状態です。
ドライブの健康状態に問題が発生している可能性があります。

None

Unconfigured Good か Offline のディスクの取り外しを行った後の状態、もしくは非サポートのフラグが立ったディスクです。
ドライブの健康状態に問題が発生している可能性があります。

RAIDを構成する物理ドライブの交換方法

(1)LSAホーム画面よりステータスを確認したいドライブが接続されているコントローラ名をクリックし、「Drives」タブを選択します。

(2)交換したい物理ドライブの左側にあるチェックボックスにチェックを入れ、画面右側の「Start Locating」を選択します。

(3)「Locate Indefinite」にチェックを入れ、任意のLED点滅時間を指定します。

(4)該当の物理ドライブのLEDが点滅しますので、位置を確認しておきます。

(5)マシンをシャットダウンし、該当の物理ドライブを交換します。

(6)マシンを起動し、リビルドが完了するのを待ちます。
リビルドの進捗状況はLSAホーム画面の「Background Processes in Progress」の項目よりご確認いただけます。

ファームウェアのアップデート方法

(1)メーカー製品ページのDownloads > Firmwaresの項目より、最新版のファームウェアをダウンロードします。

(2)LSAホーム画面右側の「Update Firmware」の項目を選択したのち、「Browse」ボタンをクリックして(1)でダウンロードしたzipファイル内の.romファイルを指定します。

(3)「Update」ボタンをクリックすると、確認のダイアログが表示されますので、「Confirm」にチェックを入れて「Flash Firmware」ボタンをクリックします。

(4)通常1~2分程度のアップデートが開始されます。アップデート後の再起動は必要ございません。

更新日 2022年10月15日

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